日本・米国の帝国主義と国連の経済制裁を打倒せよ!
北朝鮮を防衛せよ!
日本の帝国主義者の反共キャンペーンに 屈服する改良主義左翼
5ページから始まる文書は、スパルタシスト同盟/米国の我々の同志の新聞、『Workers Vanguard( WV)』に掲載された二つの別々の記事を翻訳したものである。最初の記事は、北朝鮮の防衛に関するものであり、『WV』1118号( 2017年9月22日付)に掲載された。二つ目は、『WV』の一読者より台湾に関して寄せられた手紙であり、同紙によるこの手紙への返事と共に、『WV』1123号( 2017年12月1日付)に掲載された。この返事は、スパルタシスト・日本グループ( SGJ)との協議のなかで書かれたものである。
昨年の北朝鮮による核実験と大陸間弾道ミサイル発射実験に対応して、日本政府は、中国と北朝鮮の官僚主義的に歪曲された労働者国家にとりわけ狙いを定め、日本帝国主義の再軍備強化をより一層加速させるための口実として、人々の間に核戦争の恐怖を煽り立てている。安倍政権は昨年12月、過去最高をまたもや更新する防衛予算案を発表したが、その予算のかなりの部分が中国沿岸からわずか300キロ余りにある八重山諸島の日本の軍事基地を増強するために使われることになっている。これと相まって、日米両政府は、地元住民による断固とした抗議行動にもかかわらず、沖縄の米軍基地の機能を引き続き高めようとしている。それに加えて、世界第七位の軍事費を有する日本のすでに洗練された軍隊、「自衛隊」( SDF)などと遠回しに呼ばれている軍隊が、導入を計画している最新兵器には、陸上型イージス・システム2基、先制攻撃に使用可能な巡航ミサイル、そしてこれら巡航ミサイルを搭載可能なF35B戦闘機のより柔軟な展開を可能にするいずも型「ヘリコプター搭載護衛艦」の改修が含まれている。トランプ政権は今年2月、かつてないほど好戦的な最新の「核戦略見直し」を発表したが、日本政府はこの発表について、中国と北朝鮮に対する日米の安全保障同盟を一層強固にするものとして歓迎した。
トランプと韓国の文在寅が、平昌冬季オリンピックを理由に、例年の米韓軍事演習を延期するのに合意する一方で、安倍首相は、北朝鮮に対する軍事的経済的圧力をかけ続けるという戦略を変更すべきでないと断固主張した。安倍政権はまた、帝国主義者たちによって中国がより効果的に封じ込められたインド太平洋を意味する「自由で開かれたインド太平洋」という名の下に、英国及びフランスの帝国主義から( 日英や日仏のより大規模な合同軍事演習の実施が2018年に計画されている)、オーストラリアやインドといった同盟諸国に至るまで、あまねく安全保障同盟を強化し続けている。さらに不吉な動きとして1月16日にバンクーバーで開催された外相会合に、日本は1950-53年の朝鮮戦争の際に国連軍の名の下で北朝鮮軍と中国軍と戦った全ての国々とともに出席した。この戦争は国連側では朝鮮半島で社会革命を粉砕し阻止しようとしたものである。この1月の帝国主義列強とブルジョアの従僕たちの外相会合での結論は、全ての国が北朝鮮に圧力を加えるために軍事的レベルで協力するというものであった。以下の記事で指摘しているように、北朝鮮に対する過酷な経済制裁も同様に、こうした圧力戦術の重要な一部である。帝国主義者たちは、北朝鮮経済を窒息させることによって、帝国主義の圧力にもはや抵抗できなくなるまでこの国を弱体化させようと望んでいる。それ故、経済制裁自身は実際戦争行為にほかならないのである。日本政府高官がどの海外訪問でも、こうした制裁を執行するうえでの協調を最優先課題にしている。その上、日米の海軍が北朝鮮との交易を疑われた船舶を取り押えるために黄海( 中国の領海!)で共同作戦を行っているのである。
国際的なプロレタリアートが、とりわけ日本と米国のプロレタリアートが、帝国主義の攻撃と反革命から中国と北朝鮮を無条件に軍事的に防衛するために闘うことが極めて重要である。中国と北朝鮮両国は官僚主義的に歪曲された労働者国家であり、地主の収奪を含め、資本主義支配が打倒され帝国主義に対する歴史的勝利を示している。同時に両国家は、最初から労働者階級を政治権力から締め出した民族主義のスターリニスト官僚層によって支配されてきた。以下の記事が述べているように、スターリニスト官僚は労働者国家の防衛に対する障害物にほかならない。従って、両国の社会革命の防衛にとって重要な一側面は、スターリニストの誤った支配者を一掃し、こうした支配を労働者民主主義と革命的な国際主義に基づく労働者政府で置き換える労働者政治革命のための闘争である。
2017年9月24日、麻生太郎副総理は異様な排外主義でわめき立てた。麻生は、戦争の場合には北朝鮮の武装難民が日本に押し寄せ、自衛隊が出動してこうした難民の射殺もありうると発言したのである。こうした暴言こそ、日本の支配階級が北朝鮮に対して抱いている厚顔無恥で残忍な欲求を示しており、また北朝鮮を日本にとって危険だと描き出そうとするため、いかに日本の支配階級が真実を正反対にねじ曲げるかを物語っている。以下の記事が指摘しているように、北朝鮮の核兵器開発計画は帝国主義による攻撃を阻止するのを目的としており、我々は北朝鮮の核兵器開発と実戦配備可能な発射システムの開発を支持する。我々はまた、北朝鮮に対する全ての制裁を解除するよう要求する。こうした防衛は世界社会主義革命にとって不可欠なものである。
上に述べたSGJの革命的なトロツキストの立場とは反対に、改良主義者たちは、北朝鮮の核兵器を非難し制裁を支持することで、帝国主義者と同じ側に立っている。改良主義は、ある程度の「民主的」変化で資本主義制度自体が労働者や抑圧された人々の利益に有利に働くという幻想を助長することによって、資本主義制度を支持する政治綱領である。日本共産党( JCP)は改良主義の最たる例である。JCPは、北朝鮮がその防衛力を実験するときには決まっていつでも北朝鮮に反対する声明を出しているが、昨年9月3日の水爆実験に対しても声明を出し、9月15日付の声明で次のように述べている。「共産党は北朝鮮に対して、[2017年9月11日の]国連安保理決議を遵守し、これ以上の軍事的な挑発を中止するよう、厳重に求める。全ての関係国に対して、緊張を激化させる軍事的行動の自制を呼びかける。...経済制裁強化と一体に、対話による解決の道に踏み出すことが不可欠である」。帝国主義者に軍事行動を自制するよう呼びかけながら、同時に帝国主義の攻撃に直面した北朝鮮を弱体化させ武装解除を目論む制裁を支持することは、帝国主義者への異様でひねくれた屈服である。そしてこうした屈服はJCPが盛んに実行するものである。
JCPは、帝国主義者から官僚主義的に歪曲された労働者国家の防衛を拒絶するのに一致して、日本資本主義国家の武装した拳を維持することに賛成の立場を取っている。JCPは、もし政権を取ったとしても、自衛隊を維持すると2015年にはっきりと公言した。そして、日本資本主義国家が「戦争放棄」の憲法に基づき平和を推進する力になり得るという幻想を押し出すその長い歴史を打ち固めている。実際には、軍隊は、警察や裁判所や刑務所のように資本主義国家の武装した拳の一部であり、労働者階級に対する資本家階級支配を確保するために配備されている。JCPは、資本主義国家が労働者革命を通じて粉砕されなければならないという革命的なマルクス主義の立場を支持するいかなる見せかけも、とうの昔に放棄してしまったのである。
同様に中核グループは、最初から、日本資本主義国家とその現行憲法に危険な幻想を助長しながら、官僚主義的に歪曲された労働者国家の防衛を拒否し続けてきた。我々が前の記事で指摘しているように、中核グループは、自民党が追求している憲法改正という目的が、「資本の絶対的な専制支配を確立する」ためだと主張している。彼らによれば、憲法九条は「戦後革命の敗北とひきかえに彼ら支配階級に強制された、革命の副産物であった」からだと( 「全アジア労働者階級への脅威:安保法制を打倒せよ!日米反革命同盟を労働者革命で粉砕せよ!中国・北朝鮮を防衛せよ!」、『スパルタシスト』38号参照)。中核グループの議論はばかげた危険な幻想である!日本の国家は現在も、そして明治維新以来ずっと、労働者や抑圧された人々に対する資本の絶対的な専制支配下にある。戦後憲法は私有財産と反動的な天皇制を制定したブルジョア憲法である。我々はまた憲法第九条に自衛隊の存在を成文化しようとする自民党の試みに反対する一方で、一国のブルジョアジーがけっして自国の憲法によって抑制されなどしないことを理解している。レーニンが述べているように、「たとえどんな民主主義的な国家であっても、...労働者に軍隊をさしむけたり戒厳状態をしいたりなどする可能性を、ブルジョアジーに保障している抜け道あるいは保留条件が憲法のなかにないような国は、ひとつもない。」( 『プロレタリア革命と背教者カウツキー』)
自民党による憲法第九条への改正が「反革命」だとする中核グループの想像した問題よりむしろ、真に問題なのはこうした九条の改正が日本帝国主義のさらなる強化を意味することである。憲法を変えようとする上でブルジョアジーの主要な狙いの一つは、実際に中国と北朝鮮の官僚主義的に歪曲された労働者国家の軍事的包囲を強化することである。このことはスターリニズムと帝国主義を同一視する第三陣営主義者としての中核グループが関心を持たないものである。中核グループは、一方で前述の故意に誤った論拠に基づき「自国」ブルジョアジーの憲法を全力で擁護し、他方では資本の支配を一掃した革命により実際に存在してきた官僚主義的に歪曲された労働者国家の防衛を拒否しているのである。
JCPと同様の調子で、日本における三つの労働組合連合( 連合、全労協、全労連)全ての指導部は、「核兵器に反対する」、つまりは北朝鮮と中国の核兵器に反対する帝国主義の運動を長らく押し進めてきた。その運動は核兵器を帝国主義列強に独占させるのを目的としている。日本の資本家階級よりむしろ北朝鮮を恐るべき敵として描き出すというブルジョアジーの策略を推進する労働運動指導部は、資本主義の利潤制度への根本的な支持と相携えて進んでいる。国内において労働者階級へのブルジョアジーによる搾取がこれまで増大してきた。こうした搾取に対抗する階級闘争は衰退し、そして長年の間そうした状態が続いてきた。若者、女性、移民労働者、非正規労働者、そして正規労働者でさえ直面する耐え難い生活状態に対して明確な怒りがあるにもかかわらずである。なぜか?それはボスの攻撃に対抗するため絶対に必要とされる闘争が、現在の誤った労働組合指導部によって組織されないからである。
重要な最近の例は、政府の労働法改正案に対する連合指導部による相継ぐ屈服である。すなわちそれは、昨年の残業に関する月100時間の上限というとんでもない制度を押し通すためのボスとの交渉から、次にはボスが提案した残業代ゼロの「高度プロフェッショナル」制度を支持するのに合意したことまでである!連合の誤った指導者たちがこうした「高プロ」制度に関する裏切りをうまくやりおおせるのを阻止したのは、労働組合員内部からの抗議行動だけであった。必要とされる厳しい階級闘争に関して言えば、改良主義の誤った組合指導部は、彼らがむしろ導きたくないストライキ行動に嫌々従わざるを得ないよう一般組合員に強いられるのが可能である一方で、裏切りをやりおおせることができると感じるやいなや、指導部はその政治綱領に従って労働者階級の利益を裏切ることへと組合員を導くのである。こうした屈服者に反対するものとして、労働者階級には何としても階級闘争指導部が必要である。革命的な党を鍛え打ち固めるための闘争は、労働組合の最上層部にいすわる改良主義指導部を政治的に打ち負かす努力と不可分に結びついている。必要なのは、階級闘争と資本主義支配者に対する政治的反対の綱領に基づく新たな指導部に向けた労働組合内での革命的な闘争である。
改良主義者とは反対に、SGJは、日本の労働者階級が官僚主義的に歪曲された労働者国家を階級闘争という手段を通して防衛するために闘わなければならないという理解を広めようと努めている。SGJは主張する。帝国主義の日本軍隊に一人も一円も出すな!米軍基地は日本から出て行け!我々は日米の反革命同盟に反対し、太平洋の両岸における労働者革命という綱領のために闘う。日本の資本家階級支配者はアジアの労働者と勤労者の敵である。北朝鮮を破壊せんと望む同じ日本の資本家階級はまた、日本国内において何百万もの労働者たちの生活を破壊しているのだ。必要なのは日本自身におけるプロレタリア社会主義革命のための闘争である。SGJはこうした闘争を導くことができる党を建設することに専心している。その党とは、社会主義革命の世界党としての再度鍛え打ち固められた第四インターナショナルの日本支部であろう。
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